To Far Away Times

間接的自己紹介

キッチン

人の話を聞かない人よりも、人に話を聞かせる気のない人の方がうんと苦手だ。そういう人は、人の話を聞かせる気がないくせに、話が終わった時には自分の意志は伝わっていると思い込んでいる。言っている意味がわからないので質問するけども、なんたって人に聞かせる気がないから同じ轍を踏むこととなる。ただ同じ説明が返ってくるだけだ。余裕が無いのか相手を慮ることを知らないのか、とにかく自分の言いたいことをずらっと並べ立ててしまうとそれで満足するようだ。それが日常会話であればこちらも話半分に聞いてふむふむへーそうなんだと頷いていればいいけれど、仕事の相手だと話が違ってくる。ただ圧政を敷いてくるだけなら怒りの矛先を向けることはできるけど、内容のわからないことをペラペラ伝えられると途端に混乱してしまう。

まず、俺の理解力が圧倒的に足りていないことを考える。自分の理解できていない点を洗い出そうとする。そこを見つけて相手に質問しても、相手はそれが質問だと理解できない。雨のことを、わざわざ上から下に向けて降るものだとは説明しないように、自分の当たり前を相手の当たり前と同じだと信じて疑わないのだろう。そこには信じるという意識すらない。自分の見えている白が相手の見えている白だとは限らないのだ。