To Far Away Times

間接的自己紹介

明日って今さ

予備校講師は授業中に雑談の時間を設ける。90分だか何分だかわからないけれど、長い授業時間の中で生徒たちが集中力を切らさない為にメリハリをつくってやるのだ。それに、生徒たちのテンションを上げる目論見もある。みんながみんな教えたことを忠実にトレースできるわけではないので、勉強に対するモチベーションを明確にして鼓舞する意味合いもある。

林修のあの有名なフレーズも、そんな中で持ち出されたもののようだ。「いつやるか、今でしょ」の部分しか知らない人が大多数だと思うが、その言葉の前後にはもちろん文脈がある。しかしそれを置いておいたとしても、受け取る側が都合よく解釈してくれる言葉だと思う。

時の流れを大きく3つに分けると、過去・現在・未来となる。「今」というのは、人によって捉え方が違う。今、その瞬間にやる気を取り戻す、あるいは手に入れることはできるかもしれないけど、今その瞬間に実際に行動できる人はどれくらいいるのだろうか。頭の中ではわかる。今頑張らなきゃいけないんだと。でも、そう思って行動できる人はどれくらいいるのだろうか。ちゃんと思ったことをすぐに行動に移せる人はいる。そういう人は仕事もテキパキとこなせるし、いわゆる有能な人だ。そうではなくて、鼓舞された後に今までの自分を変えて行動に移せる人はどれくらいいるのか、ということだ。これは中々少ないと思う。

「今」という言葉を「明日から」と捉えたり、何かがひと段落したらと捉えたりする人もいるだろう。つまり、「今」=「ちょっと先の未来」と捉えてしまうわけだ。そして先延ばしにして、結局やる気が萎えてしまう。「今」とは、「本当に今」なのだ。

こう偉そうに言ったものの、俺も先延ばしにするタイプである。今やれと言われてやれるものではない。色々理論立てて今やらなければならない理由を懇切丁寧に説明されて、それに感銘を受けて納得したとしても、体が動かない。残念ながら(本当に残念に思う)、俺が動く時は俺が動こうと思った時だけなのだ。誰かに言われて動くのが癪だとか、そういう理由では(たぶん)ない。自ら動く理由を発見できないと動けないのである。結局、文字通りのわがままなのだ。