To Far Away Times

間接的自己紹介

死んでも生き返る

新卒で就職してから5年のうちに周りの色々なことが急激に変化していった。そして、殆どのものは結果として失われた。頭がおかしくなり、薬を飲み、体がおかしくなり、頭はおかしいままだった。

そこらへんの記憶はすっとんでいる。体が動かなくなって、思考も止まっていたからそれは当たり前か。

時間が経ち、ある程度意識もはっきりしてきて動けるようになった。人との繋がりも新たにできたり、真剣に話を聞いてくれる人にも出会えた。職安に行き、職業訓練に申し込んだ。うまいこと選考も通り、そこに3ヶ月間通った。そしてそこで学んだこととは全然関係のない仕事を職安とは全然関係ないところで偶然紹介してもらうことになった。

 

その仕事は、控えめに言って、尋常でなく楽だった。こんなんでお金もらっていいの?という感じだ。昼休みなんてとっていいの?休憩もとっていいの?休みたい日に休んでいいの?時間が来たら帰っていいの?時間過ぎたらちゃんとお金出ちゃうの?強制参加の宗教的セミナーもないの?

 

俺はこの仕事をリハビリと思うことにした。ここで体を慣らしてから徐々に負荷をかけて、新しい仕事に就こうと。楽ではあったが薄給でもあったので、このままでここにいてはいけないと思ったのだ。

しかし慣れとは怖いものである。始めた当初は前職と比べていかに楽かを実感するばかりであった。しかし時間が経つにつれ、その楽さは当たり前のものになり、次に就くだろう、今より確実にヘビーな仕事への怖れが出てきてしまった。次の仕事を今の仕事を比べて落胆するのが怖くなった。

 

誰かが精神的に向上心のないものはばかだと言っていたけど、まさに俺は精神的に向上心のないばかたった。こころもっかい読も。

 

でもこうして書いているうちに、いよいよ決心みたいなものができそうな気がした。俺は俺なりに全力を振り絞った経験があることを忘れずにいよう。決心の原石みたいな、細胞分裂が始まる前の受精卵のようなものが心に生まれた感覚がある。