To Far Away Times

間接的自己紹介

枚数を数える念仏

マンガを読んでいると、何かを食べているシーンで「パクパク」という擬音が使われていることがある。このパクパクは口に食べ物を入れる時の擬音である。しかし例えばグミを1つ口に放り込んでみよう。どんな擬音がだろうか。「パク」。その後は「モグモグ」(咀嚼)である。「パクパク」とはならない。つまりパクパクは噛まずにふた口目をいっちゃっているのだ。それほどまでに食が進んでしまう表現なのである。やめられないとめられないかっぱえびせん的表現である。多くの人はそんなこと、言葉にしなくても当たり前の事として捉えているに違いない。しかし俺はそんなことを考えるのに時間を浪費する性質なのだ。

食べるという言葉の使われ方の1つに、野蛮な言い方だが女性を食べる、などと用いられることがある。もしその時の表現としてパクパクが使われていたら、それはもう味わってすらない、早く次を食べたい、かっぱえびせん的、ということになるわけで、非常に性欲旺盛な表現である。逆にピンポン。この「食べる」は、多くの場合「男が女を」という場合に用いられる気がする。しかしこの時、俺はいつも思うのだ。構造的には食べているのは女の方で、男は食べられている方なのではないか、と。文脈やシチュエーションの話ではなく、あくまで構造の話である。女の方が性欲旺盛で男を食いまくっている、という話ではない。構造上の話である。例えば俺がグミを食べているとき、グミは食べられているのだ。